6/10 ハチの子たちは、ネズミにくわれた

 

 

 

ハチの時間は、私のものとは違っていました。

でも、春と冬のはじまりは、彼らと私は同じにそろいます。

私の隣には無数の時間があって、季節ごとでしょうか、重なるようです。

おかあさんバチは、一人ぼっちにもどってしまいました。

彼女は虫です。虫などに同情はしません。

そうきっぱりと思うことで胸の中に小さな痛みを見つけます。

信じられる一滴の悲しみを確かめます。

じきに夏です。